病気の予防に役立つ食べ物

野菜や果物、スパイスやナッツ類などには、よく知られたビタミンや鉄分、カルシウムなどの主要な栄養素とは違う、微量な栄養素がそれぞれに含まれています。

病気の予防や健康維持によい機能を持つこれらの成分はフードファクターと呼ばれ、主要なものだけでも数千種類あるとされています。

その多くはフラボノイド類などのポリフェノールで、たとえばブルーベリーやブドウ、黒米などに含まれるアントシアニン、トマトに含まれるリコピン、にんじんに含まれるカロテン、ゴマから見つかったセサミノール、お茶のカテキン、タマネギのケルセチンなどさまざまです。

これらおフードファクターは、多くが体内で活性酸素を除去し、細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用をもっており、その作用が抗炎症作用やがん細胞を減らす抗腫瘍作用などにつながっていると考えられます。

そして、同じフードファクターが脳内に入ったとき、いくつかのフードファクターは神経細胞にβタンパクが沈着したり、タウタンパクが異常蓄積したりするのを防ぎ、アルツハイマー病の発症を防ぐ効果があるのではないかと考えられています。

たとえばブルーベリーに含まれる紫色の色素、アントシアニンには、強力な抗酸化作用があります。

そこに注目して、老齢のラットにアントシアニンを与えて、脳の海馬の神経細胞がどう変化するかをみた実験があり、新たな神経細胞が生み出されたことや、神経細胞膜の活性が高まり、外部からの刺激に反応しやすくなったことなどを確認したという報告があります。