玄米を食べよう

ふっくら炊きあがった白いご飯は、粘りもあって確かに美味しく、新米が出回ることには日本人に生まれてよかった!と思う人も多いでしょう。

しかし、米(玄米)を精米した白米は、さまざまな栄養素が含まれた種皮や胚芽の部分があらかじめ取り除かれています。

種皮や胚芽にはビタミンB1・B2・B6・E、パントテン酸フィチン酸ナイアシン葉酸などの貴重な栄養素が豊富に含まれており、玄米はそれだけで完全食品であると言われるほど、栄養的に優れた食べ物なのです。

そのため、主食に関しては白米ではなく、この玄米を食べるようにすると、ボケ予防の効果を見込めます。

体内でタンパク質を代謝する課程では、さまざまなアミノ酸が生成されますが、その一種であるホモシステインというアミノ酸には、動脈硬化を起こして脳血管障害の危険性を増やしたり、アルツハイマー病のリスクを高めたりする働きがあります。

そのため、肝臓で無害なアミノ酸メチオニンに変換されるのですが、その際に葉酸ビタミンB6が必要とされます。

この2つの栄養素、とくに葉酸は通常の食生活では不足しやすく、しかも、高齢になるとホモシステインは血液中に含まれる量がだんだんと増えていくため、動脈硬化アルツハイマー病のリスクが増えていくというわけです。

玄米を常食することで、この葉酸やビタミンB6をしっかりと補給できますから、アルツハイマー病はもちろん、脳血管障害や心臓病などを防ぐ効果が期待できるのです。

また、玄米に含まれるビタミンB1は、脳の主要なエネルギー源であるブドウ糖の代謝を助ける働きがあり、脳の活動を活発にする作用もあります。 玄米は口当たりが白米より硬いので、主食を全量玄米にするのは食べなれないうりはなかなか難しいものです。

ですから、最初は5分づき米や7分づき米にしたり、発芽玄米を白米に少量混ぜたりすることから始めてみてはいかがでしょうか。

最近では、白米を精米する際にでる糠の部分を、認知症予防の目的で食事に取り入れている高齢者施設もあるそうです。また、認知症の治療薬ではありませんが、糠に含まれるγオリザノールという成分を利用した脂質異常症自律神経失調症等に効くされる薬もあります。

同じようにパン派の人なら、全粒粉のパンがボケ予防におすすめです。 精製した小麦で作った小麦粉ではなく、小麦を丸ごと、表皮、胚芽、胚乳などをつけたまま挽いた全粒粉で作ったパンのことで、玄米と同じようにビタミンB1、B6、E、鉄分、カリウム亜鉛食物繊維などを豊富に含んでいます。

玄米にしろ全粒粉のパンにしろ、腹持ちがよくすぐにはお腹が空かないので、食べ過ぎを妨げる、噛みごたえがあるためしっかり噛むことによって脳を刺激する、などのメリットも同時に期待できるでしょう。

食物繊維も豊富なので、便秘予防にも効果的です。